陽気なギャングが地球を回す


陽気なギャングが地球を回す
嘘を見抜ける男、正確な体内時計を持つ女、スリの名人、演説の達人(?うるさいけどw)。
伊坂幸太郎の他作品とちがって、深く考えることもなく爽快だった。
それでもやっぱり素敵な人たちばっかりだ。
この4人も祥子も慎一も、田中も憎めない。
そしてこの人の作品でいつも最後に気づくのが、伏線がちりばめられているということ。
わざとらしくなく、ただの会話の一つとして出てくるから
つい忘れてしまって後でくやしい思いをする。
(だから何度も読みたくなる・・・^^;)


この本を読みながら、嘘を見抜ける力が欲しいと思ってしまった。
きっと嘘をつかれているほうが幸せなこともあるかもしれない。
それでも今の私には、どうしても嘘かどうか見抜く力が欲しい。
ほんとうに、あればいいのに。。。。
成さんの場合は、人の嘘が見抜けるだけでなく
冷静沈着で1を聞くと10+αまで考えられる頭も持っているから
いろんなことに対応できるんだろうけど。
それでも父親である面が見えると微笑ましく思う。
雪子の母親の一面や、久遠の無類な動物好き、響野の嘘だらけの話(真実もあった!)
どれもなぜか安心する。
こんな銀行強盗ならいいかも、とちょっと思わせてしまう伊坂幸太郎おそるべし。


「ロマンはどこだ」