グラスホッパー


最近読んだ伊坂幸太郎作品とほんの少しテイストが違う感じがした。
殺しのシーンや、実際に死ぬ人が多いからなんだけど
それが、あとがきにある「ハードボイルド」的な部分なのだろうか。。
でもいろんな部分で、やっぱり伊坂幸太郎だなぁと感じさせる。
ストーリーは3人の目線で進んでいく。
自殺に追い込む自殺屋の「鯨」、ナイフ使いの「蝉」、普通の一教師だったのに非合法的な会社に潜入し復讐の機会を狙っていた鈴木。
鈴木は、怪しい会社で非合法的は薬を売ったりしているけれど
かなりフツー(?)の感覚で私たちの目線に近い。
もう一人、交通事故で殺す押し屋の「槿」を含めた3人の殺し屋がメインだが、
3人とも冷血のように思えるのに、それなのにちゃんと人間くさい。


前半は、会社もあやしすぎるし、そんな会社の非合法的なことをやっている鈴木にも
なにも感じずに殺してしまう鯨や蝉に共感できなかったはずなのに、
3人(+槿)がどう交差していくのか、どんどん引き込まれていった。
槿の家族に対して、不思議な感情がわいてきた鈴木にもとても共感してしまった。
ラストで死んだ人も含めて、
幸せとはいかなくても、みんな何かを納得できたのだろうか。
乗り越えられたのだろうか。
そうだといいと思う。。。