ランドマーク


吉田修一の文庫新刊「ランドマーク」。


ねじれながら上へ伸びていくO-miyaスパイラル。
上へ向かっているはずが、どこかでねじれてどこへ向かっているんだろう。
主人公の二人だけでなく、その周りのO-miyaスパイラルに関わっている人すべて
どこかねじれていっているような気がしてくる。


自然に惹きこまれていった。
まっすぐ歩いていたら実は坂道で、気づいたら地下深くにもぐっていた。
それでも歩き続けると、ぽんと地上へ出てしまった。
あれ?地下は終わりか?って感じで。
そんな惹きこまれ方だった。


地上に出て、終わりがわかったとき、ただ「ねじれてしまった」と思った。
本当にそれしかない。