メリーゴーランド


荻原浩を友人から薦められ、以前「噂」を読んだが
特に惹かれるものはなかった。そんなオチなんだ・・・って感じで。
しかし、タイトルでいくつか薦めてもらったので、その中から再度挑戦。
それが「メリーゴーランド」。


うーん、ミステリーでも推理でもないしなぁ、と思って読んでみた。
が、


なんともすがすがしい。
中途半端に開けてない市の役所に勤める、とっても普通の人を中心に
そんなすごいことが起こるとも思えない。
それでも読み進めていくと、ひきこまれていった。


テンポがいい。
すがすがしい。
なにもかも上手くいくハッピーエンドではないのに。。
年寄り役人のあり得ない会話、腹立たしくなるはずなのに、
あまりに常識を越えているためか笑えてしまう。


印象的な場面でもないはずなのによく覚えているセリフ。
「お前、明日もエビ」
あまりにテンポがよくて笑ってしまった。


でもやはり普通の一市民がヒーローになれる訳がなく、
やりきれない気持にもなるが、やっぱりすがすがしい気分で読み終わる。
ドラマチックな結末にならなくても、こうやって人はがんばって生きていくんだと、
その中で小さな幸せを見つけて生きていくんだと感じた。


誰もが豆男。。。そう思うとちょっとかなしいが。。。