魔王


フィッシュストーリーが映画化されたということで
文庫本じゃなくても買おうと思い
(文庫になってからじゃないと読まないようにしてるんです)
本屋さんへ行くと、「魔王」が文庫化されてる!
さっそく購入。
一気に読んじゃいました。


おそろしくなりました。
人間(日本人)の心の操られ方というか群集心理の怖さというか。。。
途中、あまりにファンタジー世界で「あれ?」と思いましたが、
やっぱり伊坂ワールドです。
あったかくなったり、せつなくなったり。
そして、苦しいくらい悲しい。。。


この作品は「○○がわるい」とはっきり描かれない。
誰が悪人なのか、誰も悪人ではないのか。
犬養も「嫌なヤツ」というわけではないのに何かがひっかかる。
ドゥーチェのマスターも好印象なのかと思ったら。。。
考えろ、ということを小説全体で言われてるようです。
流されることのおそろしさを。


そもそもファシストが一般的になぜ悪のようにとらえられてるか、
考えたこともなかった。
本当に悪いこと?
自分で考えて判断しているようで
だれかに操られているかもしれない。
そもそも何を判断基準にすればいいのか。


考えろ考えろマクガイバー


きっと潤也は、考えて考えて、でもわからなくて、
でも世界を変えるため自分ができることはなにか
やっぱり考えて考えて。。。


スカートを直せるような勇気はないけど
直さなきゃって思えるような心は持っていたい。